5月3日 目黒シネマにて.
共産主義と資本主義のコントラストがけっこうキツくて,もしセルマがチェコに残っていたらこの悲劇は起きなかったのかなって思う.
セルマのジーンへの揺るがない愛がすべて.ジーンを救うために文字通り全てを犠牲にしてアメリカへ.ジーンはセルマの幸せそのもの.
最期までブレない強い母性,というか覚悟を感じた.何があってもジーンの幸せを守り抜くこと,甘えも妥協もない強い愛.
辛く厳しい現実とミュージカルの理想世界のギャップは観ていて悲しくなった.どうして現実はこうも残酷なのか.
僕は子供がいないから,親になることは子供をもつことは,つまりこういうことだ,というメッセージを受け取った.子供のために自分を完璧に犠牲にできる覚悟はできてるのか?と.
ジーンのために全てを受け入れる.自分のために弁解したり周りの誤解を解くために努力したり,そういったそぶりは一切なかった.誰にも頼れなくて,理解もされなくて,それでもジーンのために必死に生きる.セルマ自身の幸せは後回しどころか,最初から存在しない.そこには悲しみもあるけど,ものすごく深い愛がある.
映画を観たあとは,「母親って,ここまで子どもを思えるんだ」って,心の底から思わされた.そして同時に,自分はその愛に応えられてきたのかって気持ちになった.できる限りの親孝行をしていきたい.
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