なぜ台風は反時計回り?それってコリオリの力?そもそもコリオリの力って?
台風は謎が多い.台風のことをちょっと考えると回転方向とかコリオリの力とか色々な疑問が浮かんでくる.僕はコリオリ力についてちゃんと理解してなくてモヤモヤしていた.なので,ちょっとだけ本を読んで少しだけコリオリ力について調べてみた.
もしあなたが僕と同じように「コリオリ力って何?」と漠然とした疑問を持っていたら,今日の記事をぜひ読んでほしい.その疑問をざっくり解決できるはず.
台風にコリオリ力が働くメカニズム
この記事では数式を解いて説明をしないから,もしそっちに興味があればWikipediaを参照してほしい.今回は出来る限り平易に説明したい.
これさえ頭にいれて読んでもらえれば理解してもらえると思う.
対象とするモデル
コリオリ力のメカニズムを理解するために下図のようなモデルを準備した.
この図は宇宙から地球を北極に向かって見たモデル.中緯度のところに台風が一つあるこのモデルをベースにして話を進める.
台風の目に向かう風を考慮する
まず,この台風の目に向かう風を考えてみよう.台風の目には東西南北から同じ強さの風が吹き込むと仮定する.それらの風には区別しやすくするために下図のように色をつけた.このモデルの時間経過を宇宙から見てみよう.
するとどうなるか?
北半球は半時計方向に自転するから,時間の経過とともに左回りに上がっていく.だけど台風の目に向かう風の方向は変わらない.なぜなら風は慣性力を持っているから.なので上図でも時間の経過に関わらず風向きは同じになっている.
ここで,風が慣性力を持っていない場合を考えてみる.そうすると下図の破線ように台風の目の移動とともに風向きも変わる.
でも,実際はこうならない.なぜなら風は慣性力を持っているから.
風は慣性力を持っているので地球が自転をしても宇宙から見た風向きは変わらない
大事なのでもう一度.
宇宙からみた風向きは変わらない.
台風の目を中心に考えると風向きが変わる
上図と同じ場合だけど少し視点を変えてみよう.今度は台風の目に注目して風の方向を確認してみる.地球の自転とちょうど同じ速度で旋回する宇宙船から台風の目を観察するような視点かな.
そうすると下図のようになる.
先ほどと同じく,風は慣性力を持っているので自転によって風向きは変わらない.
え,変わってるじゃないかって?
そう言うあなたのために下図を準備してみた.
この図は「自転によって風向きが変わらない」というイメージを掴んでもらうための図.自転する地球の上に立っていると,時間の経過とともに自分に対する風向きが変わる.それはつまり,宇宙からみたときの風向きは変わっていないといえる.なぜなら変わっているのは風向きではなくて自分の向きだから.
大事なのでもう一度.風向きは変わらず,自分の向きが変わることにより「風向きが変わった」と感じる.
人間ってほんと自分中心に考えるのが好きだよね.
・宇宙目線での風向きは常に一定
・自転と共に自分の向きも変わるので風向きが変わったように感じる
コリオリ力は地球の自転と風の慣性力により作り出されている
風向きは変わらないけど自転と共に自分の向きも変わる.だから風向きが変わったかのように感じる,という話をした.その変わったと感じる風向きを時間を追って順番に並べると下図になる.
こうして並べると風はどちらも反時計回りの向きに流れている.
ここで主語を台風の目に変えてみよう.そうすると,台風の目は地球の自転と共に移動して,さっきまで横から吹いていた風は次第に後ろから吹くようになる.つまり,台風の目を反時計回りに回転させるような力が働く.
これがコリオリの力.
・地球の自転と風の慣性力によって台風は反時計回りに渦を巻く
・そうやって反時計回りに回そうとする力をコリオリ力という
まとめ|コリオリ力と台風の関係
コリオリ力によって台風が反時計回りに渦をまくメカニズムをできるだけ簡単に解説した.
・風は慣性力を持つので地球が自転をしても宇宙から見た風向きは変わらない
・自転と共に自分の向きも変わるので風向きが変わったように感じる
・地球の自転と風の慣性力によって台風は反時計回りに渦を巻く
・その反時計回りに回そうとする力をコリオリ力という
インターネット上にはコリオリ力と台風の関係を説明したWebサイトは多いけど,平易なものは見当たらなかった.今回の僕の記事で台風とコリオリ力の関係についてざっくりとしたイメージをつかみ「なるほどね」と思ってもらえたら嬉しい.
もしまだモヤモヤが残っている人は,反時計まわりに回転するメリーゴーランドの回転中心に立って,そこから外側へ向かって真っ直ぐ歩く感覚をイメージしてみてほしい.真っ直ぐ歩けるだろうか?きっと行きたかったところよりも右側にズレるのではないだろうか.そのズレを生んでいるのがコリオリ力.
より詳しく知りたい人は次の図書がおすすめ.
以上,最後まで読んでいただきありがとうございます!