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レジ袋有料化に賛成?反対?|レジ袋有料化に見る日本のサービス精神

plastic-bag ひとり暮らし

レジ袋有料ってどうよ?

2020年7月1日から全国でスタートしたレジ袋有料化.その制度に対する意見は賛否両論いろいろあると思う.僕は全然気にしていない,というかむしろ賛成だったんだけど,僕の周りは予想以上に反対意見が多くてビックリしている.

今日はレジ袋有料化に対する僕の意見を少し語りたいなと思う.SDGsとかそういう流行りの視点ではなく,文化的な視点で語ってみたい.

今日のテーマ.

・なぜレジ袋有料化へ反対する意見が多いのか

日本ではサービス=無料は当たり前?

日本ではサービス=無料という方程式は部分的にはおおよそ成り立ち,それをよしとする文化が根付いていると思う.これを良いとか悪いとか言うつもりはなくて,あくまでそいういう文化が根付いている,という個人的な意見ということ.

例えば,レストランでは水は何杯でも無料で飲むことができるし,場合によっては緑茶だってどれだけ飲んでも無料.またコンビニでお弁当やカップラーメンを購入すれば無料で箸やお手拭きをもらうことができる.さらにトイレだってどれだけ利用させてもらっても無料.

これって不思議じゃないですか?だってお店側は水道代や箸の購入代金,トイレで使用する水やトイレットペーパーを無料で提供してくれるけど,それはお店の経費であって無限にあるわけじゃない.さらにそれに対してサービス料をもらえるわけでもない.僕はこの仕組みが未だに理解できない.本当にこれで良いんだっけ?って思ってる.

たまにこの疑問を会社の同僚に話すと

「それが日本だ,日本文化だ」

と,ぜんぜん共感してもらえなくてさらに驚く.そしてその疑問の一つに「スーパーの袋をどれだけもらっても無料」というのがあった.だって不思議じゃないですか?

「ビニール袋,10枚くらい下さい」

とお願いすると無料でもらうことが出来ていたんですよ?確かにビニール袋は1枚1円くらいが相場だから全然高くない.それでもお店にとってはチリツモ効果でお客さんが入れば入るほどビニール袋の出費は多くなる.それがビニール袋ではなく紙袋だったら出費はさらにかさむ.だから削減できればしたいはず.

サービス=無料という方程式は,利用者からすればありがたいけど,自分が経営者の立場だったら無料にはしたくない.レジ袋有料化は「これまで無料だったけどそれっておかしいよね」って気付くきっかけになってほしい.

日本人的なあわいの感覚がサービス=無料を良しとしている

いわずもがな.みなまで言わない.そういった空気を読むことを大切にするのが日本の特徴と言われている.意見をはっきり言わなかったり,白黒つけずグレーなままにしたり,そういう臨機応変な部分は日本の特徴だ.僕が言いたいのは,それが良いとか悪いとかじゃなくて,日本にはそういう特徴があるよね,ということ.

日々生活していると,その特徴は日本の生活の隅々まで浸透していると感じる.あわいの感覚というやつ.人それぞれ個人差はあるにしろ,ある程度までなら許される,だけどあるボーダーを超えるとヤバいな,という感覚を持っているはず.

例えば自動車の法定速度.日本の法定速度は明らかに遅すぎる.もちろんスクールゾーンなど気をつけて運転すべきところは30km/hでも危ない場所はあるけど,おおよそ大きな道路の法定速度は明らかに遅い.

「速度の二乗に比例して運動エネルギーは大きくなるから,速度は低いほうが安全だ」と言われれば確かにそうだけど,現代の自動車であれば,運転者が安全運転を行なっている限り安全のボーダーはかなり高い.

一方,自動車大国のドイツでは,制限速度を1km/hでもオーバーすれば違反となる.そして移動式オービスはそこらじゅうに設置されているし,しかもめちゃくちゃ分かりづらい.だから捕まる人は大勢いる.でも,ちゃんと異議申し立て(例えば,タイアのインチアップをしたから,メーター読みより実速度が速かった,など)して警察が納得すれば,その違反はなしにしてくれる.

しかし日本では,制限速度+10km/h程度であれば問題ない場合が多い.

「制限速度は40km/hだけど45km/hだからまぁいいよね」

みたいに,違反なんだけど違反じゃない,とすごく曖昧.たぶん子供に「制限速度って何?なんで制限速度を超えているのに捕まらないの?」と聞かれて上手に説明できる大人はいないと思う.

「それはね,大人になればわかるよ」

と答えるのが精一杯じゃないかな.いわゆる大人の都合(のいい解釈)というやつ.

つまり何が言いたいかというと,日本ではある程度なら許されるよねという感覚が,ある程度のサービスなら無料なのは当たり前だよねという誤解を生んでいる.だからレジ袋有料化に反対する人が多いと思う.

サービスにはお金がかかるという意識が大事

誰かに何かをお願いすることは,つまりあなたのために誰かが時間を使ってくれている,ということ.これはとても大切な感覚だと思う.

あなたも経験ないですか?

職場で「これチャチャっとやっといて」とお願いされたこと.忙しいときにそれを言われると

「いやいや,簡単に言うけどそんな簡単じゃないぞ」

と心の中で思う.たまに口に出すけど.人にお願いをする=人にサービスしてもらう,ということは全然タダじゃない.

「タダより高いものはない」そういう諺があるけど,忘れている人も多いのかもしれない.ギブアンドテイク,持ちつ持たれつ,そんな良好な関係であればいいけど,仕事だとそんなフラットな関係はなかなかない.基本形は縦の関係で偉い人と偉くない人がいる.組織の仕組みとして縦関係は必要だけど,その関係に甘んじて偉い人は偉くない人に何をお願いしてもいい,というわけではない.

上司が部下に指示を出す.そのとき部下がちゃんと成果を出せばその分給与を上げるなど,持ちつ持たれつの関係を保つのが大事.仕事を依頼する,成果を出す,給与を与える.そんなシンプルな関係を築くことができれば,サービスは無料という乱暴な感覚はなくなるはず.

ビニール袋に広告を同封すれば無料にできるかも

街頭で無料でもらえるものにポケットティッシュがある.ポケットティッシュはどれだけもらっても無料(そうじゃない場合もあるかも)という点は,以前のビニール袋と同じ.

ただポケットティッシュとビニール袋には大きな違いが一つある.それは,ポケットティッシュには広告の意味があり,広告主がお金を払って広告をポケットティッシュに同封して配布しているところ.つまり,ポケットティッシュは無料で配布しても,ある程度のリターンを期待できる.

なので,ビニール袋にも広告を印刷したりチラシを同封したり,そうやって広告の効果を持たせれば無料にできるのでは?と思う.もちろんそれには広告主が必要だけど.つまり,広告主がお金を出してくれるからビニール袋を無料で配布できる.そんな構図に変えることができれば,お客さんは無料でビニール袋をもらうことができるし,広告主はその宣伝効果である程度のリターンを得ることができる.つまりWin-Winの関係を築くことができるかもしれない.

本当に環境のことを考えるのならゴミ処分の方法から考えるべき

ゴミをビニール袋にまとめて捨てる,という手段はほぼ全ての先進国で共通していることだと思う.つまりスーパーでビニール袋を配らなくてもゴミを捨てるためにビニール袋は生産される.ビニール袋が環境破壊の一端を担っているというのなら,そのビニール袋を利用する社会システムそのものを見直すべきだ.

その実現のためには社会システムそのものを見直さないといけない.なので,ただビニール袋を有料化するだけでは地球環境問題の解決にはならない.みんなが「なぜビニール袋は有料になったのか?なぜビニール袋を減らさないといけないのか?」と真剣に考える社会じゃないと,どれだけ値上げしても何も解決しない,と思う.

以上,最後まで読んでいただきありがとうございます.

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