・2代目BRZってどうなのさ?
・やっぱり初代が一番?それとも2代目を買うべき?
2020年の年末ごろに発表された2代目BRZ.その登場を心待ちにしていた人も多いかもしれない.
初代BRZはトヨタ自動車とSUBARU(当時は富士重工業)が共同開発し2012年から発売されていた.
そんなBRZも2021年でデビュー約10年となりフルモデルチェンジを迎える.もちもん今回もトヨタ自動車とSUBARUの共同開発だ.
SUBARUのオフィシャルサイトでは少しずつだけど情報が公開されてきている.今回はその情報をもとに2代目BRZについて考察してみたい.
2代目BRZの発売を心待ちにしている人に読んでもらえれば幸いだ.
本日の内容
・2代目BRZのここが凄い
・2代目BRZは買うべきか?
目次
BRZの初代と2代目の比較
まず,先代のBRZと比較してみよう.
比較する項目は大きく3つ.
サイズ
重量
エンジン
2代目BRZは初代から排気量を0.4Lほど増やした2.4Lとなる.それに伴い出力もアップしている.もちろん自然吸気を踏襲している.
エンジン型式はFA24.型式だけ聞くと北米で生産されているSUVのアセントに搭載されているエンジンと同じ.だけどそれは直噴ターボなので今回のBRZのエンジンとは全く別物だろう.
なぜなら,初代BRZのエンジンに搭載されていたエンジンはFA20で,当時レガシーに搭載されていたエンジンもFA20と呼ばれていた.だけどそれぞれに共通する部品は大きいところだとクランクシャフトくらい.初代BRZのエンジンも専用開発だったのだ.
詳細は明らかではないけど,おそらく2代目BRZのエンジンもほぼ専用開発と言えるだろう.
前置きがだいぶ長くなってしまったけどエンジンの比較.
2代目BRZ | 初代BRZ | |
---|---|---|
型式 | FA24 | FA20 |
出力 [ps] | 235@7,000rpm | 207@7,000rpm |
トルク[Nm] | 250@3,700rpm | 212@6,400 – 6,800rpm |
内径×行程 [mm] | 94.0×86.0 | 86.0×86.0 |
圧縮比 | 12.5 | 12.5 |
レブリミット作動回転数 [rpm] | 7,400 | 7,500 |
このご時世に「ボアを拡大しよう!」と決断したのはすごいなと思う.ストローク伸ばすとエンジンルームにエンジン入らんっつー問題があるかもしれないけど.
最大トルク発生のエンジン回転数は初代BRZからグッと下がっている.このおかげでおそらく街乗りやワインディングはとても楽しくなるはず.
余談だけど,こうして改めて比べてみると初代BRZに搭載されているFA20はかのHonda B型エンジンのように高回転型とわかる.
初代BRZのエンジンは回してナンボだったのが,2代目BRZでは回しても回さなくても速いエンジンになりそう.
ともあれ,今時のエンジンはNAでも100ps/Lは普通なのね.
サイズ
次にボディーサイズの比較.モデルチェンジの度にムクムクと大きくなっていくクルマが多い中,BRZはほぼ同じサイズをキープしている.
2代目BRZ | 初代BRZ | |
---|---|---|
全長 [mm] | 4,265 | 4,240 |
全幅 [mm] | 1,775 | 1,775 |
全高 [mm] | 1,280 | 1,285 |
ホイールベース [mm] | 2,575 | 2,570 |
トレッド Fr/Rr [mm] | 1,520/1,550 | 1,520/1,540 |
最低地上高 [mm] | 130 | 130 |
ホイールベースは5mmだけ伸び,ルーフ高さは5mmほど低くなった.またリアトレッドの幅も片側5mmずつ外側に出されている.
このおかげで,初代BRZと比べて操縦安定性はグッと向上しているはず.
また,全高を5mm下げるため着座位置も5mmほど下げているのだとか.ドライバー自身の重心を下げることで操縦安定性にさらに貢献できる.
初代BRZの出来がとてもよかっただけに,2代目BRZには大きく期待してしまう.
重量
2代目BRZはエンジンの排気量を増やしているにもかかわらず車重は初代BRZとほぼ同じ.
2代目BRZ | 初代BRZ | |
---|---|---|
車重 [kg] | 1,270 | 1,240 |
車両サイズは同じだから車重もそんなに変わらない.というのもベースのプラットフォームは初代BRZと同じ.とはいえアップデートにより別物になっているのだとか.
ねじれ剛性50%,フロントの横曲げ剛性60%とそれぞれ向上している.そのおかげでとても楽しいハンドリングを期待できる.
そして今回,軽量化のためにボンネット,フェンダーそしてルーフはアルミ製という徹底ぶり.
このあたり,トランクやドアをアルミやカーボンに変更して,内装取っ払ってフルバケ入れて..そうすれば100kg以上軽量化できるんじゃない?と妄想が楽しすぎていけない.
2代目BRZのここが凄い
個人的に2代目BRZの「ここすげ〜」と感じるのは次のポイント.
・ブラッシュアップされたデザイン
・変わらないボディーサイズと車重
アップグレードされたエンジン
やっぱり最も注目されるのは新しいFA24型エンジンではないだろうか.僕もそれに一番注目している.
・最高出力発生は7,000rpmと高回転で発生
「エンジンは回してナンボ!」と,最大トルク発生ポイントはできるだけ高い方がいいと思う人もいるかもしれない.僕もそう思っていた時期もあった.
それでも一度低速トルクに溢れるクルマに乗ってしまうと,その快適さや扱いやすさの虜になってしまう.
2代目BRZは排気量を増やしたこともあり初代BRZと比べて約20%もトルクが増えている.そしてその最大トルク発生ポイントは3,700rpmと比較的低い回転数に設定されている.
なので2代目BRZはとても快適で扱いやすいクルマに仕上がっているはず.
一方で最高出力発生は7,000rpmと高回転で発生しそれは初代BRZと同じ.つまり低回転から高回転まで幅広いレンジで快適で扱いやすいクルマになっている.これはきっと「速いクルマ」を意味するんだと思う.
タイムアタックのレコードなどはまだぜんぜん発表されていない(2021年5月25日時点)けど,きっとサーキットを走ってもめちゃくちゃ速いクルマだと思う.
街乗りからサーキットまでどこでも楽しめるガチなクルマになりそうだ.
ブラッシュアップされたデザイン
2代目BRZのデザインはトヨタ自動車が担当している.そのおかげかトレンドを抑え嫌味なく万人受けしそうなスッキリとしたデザインだ.
「エンブレムを隠したらどこのクルマかわからない」
と言う人もいるかもしれないが,それがトヨタ自動車のデザインで2代目BRZのデザインもとてもトヨタ自動車らしくまとまっていると思う.
2代目BRZのデザインは個人的にはとてもかっこいいなと思う.初代BRZと比べれば野暮ったさが払拭されているし,現代の大きくなりすぎて自己主張の強いクルマたちの中では,その小ぶりでささやかな佇まいが逆に異彩を放つと思う.
初代のBRZと86の間でもそれぞれの持つちょっとしたデザインの違い(例えばバンパーとか)で好みが別れていたと思うけど,この2代目BRZでも同じことが起きそうだ.
BRZの方がヘキサゴングリルやヘッドライトのコの字型のデザインなどで86とは差別化を図っているし,その86の方は最近のGRシリーズよろしく大きなスクエアグリルを採用している.
個人的には主張の少ないBRZの方がいいなと思う.
「えっ,なんでそんなデザインにしたん?本気でいいと思ってんの?」
そう思わせてくれるクルマが多い中,2代目BRZのデザインはとてもいい.
変わらないボディーサイズと車重
モデルチェンジのたびにムクムクとアホみたいにデカくなっていくクルマが多い中BRZはボディーサイズも車重もキープしている.
タイアサイズだってベースグレードは初代BRZと同じ17インチのミシュランプライマシーHPを採用.これは本当に嬉しいポイントだ.
20インチとか30扁平とか,ちょっと何言ってるのかわからないタイアサイズを採用するスポーツカーが多い中,実用的で経済的な17インチを採用してくれるのはとても嬉しい.
個人的にはムチムチ高扁平なタイアが好みなので16インチだともっと嬉しかったけどな.
さらに余計な電子制御がついていないので車重だって1,300kg弱をキープ.サイドブレーキが電子ブレーキじゃないのは嬉しいポイント.
なんでもかんでも電子化すればいいという風潮のなか,MTやサイドブレーキをちゃんと残してくれるのはいいよね.
「だってそっちの方が楽しいじゃん」
そういうクルマづくりをできるだけ続けてほしいなと願う.
2代目BRZは買うべきか?
スペックを見るだけだと買うべきと思う.
なぜなら次の理由から.
・最後の内燃機関搭載のモデルになる可能性が高い -> プレミア必須かも
・そして価格は初代BRZとそんなに変わらないらしい
実際に試乗してみないと良し悪しなんてわかんないけど,スペックだけを見ればこれ以上のクルマは今後もう出ないんじゃないかな?
もっとパワーが欲しい人もいるかもしれないけど,日本の公道で走らせるにはちょうどいい出力だ.よりパワーが欲しい人はポルシェを選らべばいい.
価格は初代BRZとそんなに変わらないらしいので,売れるクルマになるはず.
個人的には初代BRZにあったRAのようなグレードが出ればいいなと思う.
以上,最後まで読んでいただきありがとうございます!